反日常系

日常派

幸福は暖かい煙

馬鹿な中学生のように煙草の話ばかりをしている。僕のような人間にとっては、背伸びをする・やめるというのが唯一の自発的な話題であるのだが、齢も二十後半となってくると、「何が背伸びだ。踵を浮かせるよりも先にその猫背を直せ」という話になる。そうし…

戦争と私文章

戦争が始まった。はてなブログ、Ameba、noteに戦争にかこつけた私文章が跋扈することを予想すると吐き気にも似た愉快な気分になるが、そもそも日本とは文学の誤読から私をいかに描写するかの文化だ。何が起きようと変容した私を絢爛な文章で綴る他ない。シェ…

唾を吐く。ゲロも吐く。煙も吐く

吐き気が鮮明になるにつれて、体のどこか一部分も針のような実存を主張してくる。飯を食えば茶褐色の液体に変わってしまうので、飯を食わずに煙草を喫む。煙草を灰皿に押し付けて、逃げ惑う火種を几帳面に潰していくと、もう胃の中には吐く物なんてひとつも…

ある人はハルヒ、ある人は薬、ある人は神

眠り、朝が来れば起きる。ニコチンの不足で重い頭を起こし煙草を喫む。紫煙でだるくなった体を布団に横たえると、布団を被り、そのまま二度寝した。 三時間後、再び起きる。鬱らしき気分を鬱と名乗っていいのかすらわからないまま堪能する。鬱とは既になくし…

病人(あるいは病人以下の)日記

受付に「診察ですか」と聞かれ「診察です」と返す。待合には音無しのNHKが字幕付きで流れているが、誰もそれを見ることなく、スマートフォンか幻覚に相対している。通話機能付きという点で見ればどちらも同じだ。それにしても、受付と話す精神病患者のうわず…

何もない日

美味くもない煙草を喫み、美味くもない珈琲で胃袋に蓋をする。一時間間隔でその行為を繰り返していると、意味もなく死にたいと思える。来た、ようやくだと思いながら画面上のキーボードをフリックし始める。幸せは人から語彙を奪っていくけれど、幸せではな…

近況(ハッピー)

自室の夜は上手く眠れない。夜は音をすぐに吸収してしまうし、ボロアパートのエアコンは三時間で勝手に消えてしまう。ぶっ倒れてしまおうと思ってブロチゾラムを十錠ほど飲むが、酩酊に至らずにすやすやと睡眠してしまった。昨晩眠れなかったのはここ数日か…

事故現場観察

喪失が何かを与えるということは、何か出来事が我々に何も与えないことの不可能さを考えると、当たり前の道理として受け取るしかない。喪失の種類が、先の大戦や学生運動と震災や流行病では大きな違いがあり、劇的さも敗北も奪い取られた品名のない贈り物を…

日々のアウトテイクス

決まりきったニュースキャスターの悲しい表情が区のチャイムみたいに時刻を知らせる夕方四時四十五分。規則正しく混ぜられたような藍色に空が塗りこめられている。チャイムが鳴ればニュースキャスターは天気予報士に変わり、テーブルゲームみたいに地図に水…

自堕落を許せ

窓から射し込む光が夕陽に変わるその数刻前、光は反射故か神様が作った魔法故か、それとも僕の眼科的な疾病故か、赤みがかった虹色に変わり、窓辺にオーロラにも似たカーテンを吊す。窓辺しかないような狭い部屋でただそれを見つめながら、目を強く瞑った時…

医者に向けた手紙

この記事はただ僕が医者に向けて書いた手紙を書き写したものになります。 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。特に季節にふさわしいめでたい話もなく、そういった話を出来ない事に申し訳ない気持ちもありますが、別段暗い話も…

規則的に揺れる車両の中

車窓はビルと同じ、もしくはそれ以上の高さを持ち、高速道路の高みから下を見下ろすと、そこからは周囲の建物に押し竦められた駐輪場が見える。そこには中高生と思しき背格好をした少年たちが、チャリのハンドルをしっかりと握りしめながら道路にいざ行かん…

今年も日記を書き続ける

あけましておめでとうございます。あけても特にすることはないし、冥土への一里塚を踏みしめているだけだと絵に描かれた一休宗純のような屁理屈をこねては、カレンダーの2022の文字を見て思ったよりも早いと思う。冥土への一里塚を辿ろうが辿らまいが、自殺…

お題小説

暇だし文章を書きたいのだけど書くこともないのでお題メーカーを引いて何かしら1000字くらい小説を書こうと思います。前置き終わり たなかへお題は『とっくに終わりを迎えていた/この慟哭は届いていますか/君の夢を視ない』です 浅い眠りは薄皮を剥かれて…

笑いと「今年は何もなかった」

精神科に行く。病状を話せば一笑に付され、診断書のチェックボックスがつかない症状はなかったことにされていく。待合室では見えない誰かに怒鳴り続けている常連がいて、薬局では拍手をしながら喃語を話す壮年の女性がいた。笑おうとも思わないが、それらは…

寝不足とノスタルジー

睡眠薬はあればあれったけ飲んでしまう。なので精神科への予約が近づいてくると、睡眠薬のない生活を強いられることになる。寝つきが悪いため、夜中三時くらいまですることない中、夜に浮かぶかのように目を瞑ってぼーっとしている。睡眠時間は足りているが…

三十二時間かけて自室から自室へと至るフライト

睡眠薬とチューハイで記憶を彼方へ売り飛ばした。十二月十日と思ったら十一日だった。寝る前から起きるまでの八時間のフライトの予定だったが、一日半もぶっ飛んでしまった。記憶をなくすことにはいつまで経っても慣れない。いつも記憶がない時に人に迷惑を…

無生産者

毎年「もう十二月か……」と独りごちるし、『毎年「もう十二月か……」と独りごちる』から日記を書き始めている。 別段、言いたいことなどないから、そうしたクリシェでブログすらやり過ごそうとしてしまう。最近は昼に起きて映画やアニメを観て、休憩して一日が…

虚無と憂鬱

ギターを持ってもドドレドドレドとメロディー以下の人差し指と薬指の運動しかすることがなく、何も思いつかない。枯れるほどの源泉があったとは思えないが、今となってはなにかしらが枯れたのだろうという諦観がある。何を素晴らしいと思い、何を美しいと思…

茶色いキャンバス

ZOOM飲み会wと「w」までつけて馬鹿にしたものの、ネットを介してでも、人と話していると酒が進む。酒などを飲んで非日常へと投身するものの、うまくいかずにゲロばかり吐いている。喉に胃液がこびりついてひりひりする。ゲップをすれば胃液の味がして、煙草…

美しい若者たち

最近、精神の調子を酷くしていない。俺のようにメンヘラであることを唯一のレゾンデートルと勘違いしているような輩にとって、これは一番存在を脅かすことだ。ガキの身長を刻まれた大黒柱かのような手首から、赤いケロイドが色を消し、下手くそな油絵のよう…

歯が痛い part2

歯の痛みが引いてきた。とは言ってもまだ激痛が走るし、主に痛い部分が歯から首のリンパ節に移っただけなので、コーラで全ての栄養を賄う生活が続いている。歯やリンパ節が痛むのでプリンやゼリーを食べていたが、それでも痛む。何なら食えるんだよという気…

煙草と本

煙草ばかりばかすかと吸っている。一時間経つ事に楔を打つように灰皿に煙草の火を押し付け、ふーと息を吐く。鼻が詰まっていて煙も何も感じられない。いつもの煙草がコンビニになかった為、タール値の高い煙草を買ってしまった。吸えば飲み物が欲しくなって…

文章が書きたかった

文章を書きたいので文章を書く。ただそれだけで文章が書けたらそれが一番いいのだが、文章を書くには対象物が必要となる。特にブログなどという不特定多数に自分の生活をお題にして書くものと相場が決まってるものは特にその性質が強い。文章とは現実なり、…

歯が痛い

歯が痛む。歯痛ほど人間が快不快の奴隷だと認識させられるものはない。歯が痛むのだが、顎から歯の下へと至る所のしこりもまた痛む。インターネットを検索すれば何やら、それは耳鼻咽喉科に行けやら何やらのたまっている記事が引っかかる。なぜ医師が無数の…

日記

田舎に帰っている。田舎に帰っていると車で一時間かかる場所にあるイオンモールくらいしか娯楽がない。俺は午前中に宅配便を受け取る予定があった(親にその瞬間を見られると「何を買ったの?」と詰問七割好奇心三割で聞かれるので午前中が最良だ)。昨日は…

日記日記雑記雑記

選挙の期日前投票に行く。テレビでは理由も言わずに選挙に行きましょうと言われ、当日には選挙特番が競馬さながらのリアルタイム感でアナウンサーが熱狂するであろう選挙。選挙には応援とその結果のスポーツ的な感情しか持っていないので、さしたる信念もな…

年寄り、独りごちる

楽しくなりたくて酒を飲んでいるのに、全く気分は上向かない。少しでも楽しいことをしようと思ってブログを書くけれど、書きやすいことは「とても辛い」ということだけで、書いてるだけで気分がくさくさしてくる。 映画を見るけれど、文章にして残す感想は全…

日記と注釈と日記

酒を飲んで酔っ払っている。ふわふわと胸が熱くなる。酒自体は好きではない。味が好みではない。酩酊に近づくための手段として、好きでもないのに酒を飲んでいる。キリスト教徒が十字を切るという行為自体が好きな訳ではないように、俺は酒が好きではない。…

孤独

孤独が飢えにも似て食うという言葉は性的イメージを伴って欲求を具現化させる。孤独がピークに達してバーなどに行こうかと俺に思わせた。バー。行ったとしても下手くそな愛情表現で庇護欲をかき立てたいという欲望の目論見が成功することはない。つまらなそ…