反日常系

日常派

タイムカプセルのようになりたかった

 たとえば君が今日死んだとして、その死体とぼくが眠ったのなら、朝起きた時、君は明日のぼくと寝ていることになるのだろうか? そのようなことを話した。ぼくたちの間にはもう見栄や洒脱、洗練したといったものはなくなっていて、思っていることをただ並べ、並び替え、戻し、ぐちゃぐちゃになった言葉たちが綺麗な模様を描いているかどうかだけが評価基準だった。密室演劇のように部屋から出ずに、何も起こらないぼくたちの生活はおおよそ人生とは言えず、それは引き伸ばされた一瞬である。ぼくたちはこの生活を始めるにあたって、質のいいカーテンを購入することから始めた。そして、時計を捨てることによって完成した。あらすじだけを読んで、どのような映画かを想像するように生きていたい。きっと、ぼくたちのうち一人が死んだ時にこの一瞬は終わりを告げるのだろう。

 君は少し困った顔をして考えるふりをした。