反日常系

日常派

2018-01-01から1年間の記事一覧

小説

借り物の軽トラックは乗り心地が悪く、慣れない座席に体を預けると、必要以上の力に押し返されてまた心地の悪い姿勢になる。眠ることも叶わず、横を見れば流木に髭を生やしたような父親が不機嫌に前を睨んでいるだけ。 「お前は一体なにがしたいんだ」 下ら…

小説

僕にはないものが多い。夢もないし金もないし将来的なヴィジョンもない健康体でもない。ないものづくしだが、最悪なのはこれでもまだ最低ではないことだ。なにもないということで一から始めたがるが、なにもないことはゼロじゃなくてマイナスだ。始める暇が…

小説

思いつきで小説を書きました。よくある掃き溜めだけを見て、大人になったつもりの奴の書く小説みたいだとは思うんですけど、吐き出しておかないと立てる腹も下しそうなので吐き出しておきます。 よくもまあ、こんなに多くの売女がいるもんだ。インターネット…

1000年後の日記

人間は人間自身の認識において、これから特に本質を変化させることがないだろうなという希望的とも悲観的とも言える推測をぼくは持っていて、これを希望的と捉えるならヒューマニズムかと思う。自我の範囲は科学がどうこういう問題ではなく、やはり人間が信…

こうかいしたこと

高校に入ってからというものの、期待していたわけではないけれど良いことも悪いこともなかった。まあ、前と比較して悪いことがないということだから、ずっとマイナスを低空飛行していて、慣れているだけかもしれない。 友達と言えるような人はいない。一人、…

コンビニバイト・キロバイト

これは私がコンビニバイトをしていた時の話だ。と、言っても今もコンビニバイトをしているから、前の店で働いていた時の話になるのだけれど。 八年間も働いていた、勝手に寄り添うように思っていたコンビニが潰れることになった。当時女子高生だった私は二十…

タイムカプセルのようになりたかった

たとえば君が今日死んだとして、その死体とぼくが眠ったのなら、朝起きた時、君は明日のぼくと寝ていることになるのだろうか? そのようなことを話した。ぼくたちの間にはもう見栄や洒脱、洗練したといったものはなくなっていて、思っていることをただ並べ、…