反日常系

日常派

視野半径二時間

 前にもつけた題名をもう一度冠す。病気が良くなることはなく、かと言って悪くなることもないという形での悪化の一途を足取り重く進んでいる。

 相も変わらず二時間前と二時間後が断絶したような生活の中で、気分の様変わりに右往左往している。外に出て、次の季節を感じると、半径二時間の視野で遠くの景色を見れた気になって内心ではしゃぐ。薄手のアノラックでも寒くない日だったとか、エアコンをつけないでも過ごしやすかっただとか、三日後に元の気温に戻る朝三暮四に騙されても、一時的でも気分が上がればそれが真だ。狭い思考に一喜一憂しながら、それでも長期的な目線を持とうとしてる。

 カウンセリングは何回通っただろう。一度出来上がった思考を矯正するために、自分を一度焼いては叩いて試行錯誤してる途中。夏になったら少しは変わってるかなと思う。期待で遠くばかり見てる。近くに来てはつまずく。夏になって秋を待っているだろう。その頃には髪も伸びて、三時間後の自分くらいは予測できているだろうか。