反日常系

日常派

2021-01-01から1年間の記事一覧

日記

夜になれば死にたくなるし、朝が来ても思考の同じ曲がり角を曲がればすぐに死にたくなる。やや衝動的にならないようにはなってきたが、それは自省してルーレットに賭けないようになることではなく、金がなくてルーレットに賭けれないという事だ。気力がなく…

日記

金がなけりゃ死にたくなるのに、金があれば使ってしまうし、金がなくても使ってしまう。悪癖。そういうことを繰り返していると、金を使う使わないが存在しない場所に行きたくなる。例えば精神病院の鍵のかかった病棟だとか、原始共産主義の国だとか。格好の…

【小説】犬吠埼泥棒日記

自殺の名所が散歩コースの一つだ。無職なんて散歩くらいしかやることがない。今まで、四回ほど自殺者が自殺者志願者である頃に会ったことがある。彼らは皆一様に、僕を胡散臭そうに思ってそうな顔を向け、「宗教勧誘か? それとも自殺防止のボランティアか?…

日記

睡眠薬を二倍に増やしてもらったが、眠るのに必死でオーバードーズのために貯めておくことが出来ない。ギターは個人的な要望を事細かに工房につけているからなかなか手元にこない。メルカリで新しいハムバッカーを購入し、手元に着次第工房に発送する手筈に…

医者に宛てた手紙

下記は通院の際に医者に渡すことを目的とした文章で、その目的を果たしたのでもう用はなくなった文章だ(目的というものはその物の用途を指定するのと同時に用済みになるまでの期限を設定する)。スパイ映画さながらバーン・アフター・リーディングでもいい…

日記

代わり映えのしない、間違い探しみたいな暮らしをしている。誰かの暇に取り付く暇つぶしの対象にもなりえないから、間違い探し以下かもしれない。見慣れた道の端に生えた雑草みたいな、何かが違って全く同じである訳がないことは確かなのにそれは全然本題に…

全員が全員死を予期しているのだが

「死にたい」と言う女は「死にたい」と言う男ほどではないが嫌いだ。でもいちばん嫌いなのは本人の意思ではないところに生死があるのに「生きたい」と言う人間だ。人々にはハレとケがあって、誰しもケの臭いを番犬のように嗅ぎつける。言葉にも臭いは宿る。…

生きずに在りたい

ラッパーが生存以上生活未満というパンチラインを吐き、それがマイク、パソコン、オーディオデータ、時間、そして俺のiPhoneを経由して耳に入る。そしてそれを脳内で文字情報に変換してiPhoneをフリックした。生存以上生活未満。全くもってその通りだ。上が…

女医の親切なサディズム

精神科に行く。もはや日常の一つになった被分析作業は、靴を脱ぎながら話す女医の脚を眺めすぎず、なるべく気取ってると思われない言葉を探すという地雷原を慎重に歩くような用心深さで行われる。「行われる」というより「行われ<ら>れる」とでも言うような…

医学書の中に踊るリストカットという文字

メンヘラという言葉に手垢がつき、更には一般に広まるようポップ化され、本来の意味からはかけ離れた意味で使われるようになってから随分と経った。ポップ化というのは簡易化と陳腐化を悪意なく表現する為の言葉だ。今ではリストカットも症状の一つとなり、…

日記

薬ばっかり飲んでたら、次の通院までの二週間が体感四日くらいになった。通院だけが時間の指標になり、通院の度に「二(もしくは三)週間経ったのか」と感じ、その度に一日一日がちゃんと過ぎていると思う。ループしているかのような気持ちで日々を過ごして…

全部飲んで三時間だけいい気になる処方箋

遊ぶことも喋ることもなく、平凡な日常を送っている。気の迷いで購入した薬もまだ届かず、荷物は台湾の辺りでうろちょろしているようだ。薬を沢山飲むことは行為としては自傷に入るのだろうが、慣れると自分の健康を害しているとわざわざ認識することもなく…

育ちが悪い。血が悪い

許せなかったことを許さない若さも、何が許せなかったのかを覚える記憶力もなくなって、大体のことは許せるようになってきた。大人になるにつれて、若い頃に大人に要していた理性やそれに伴う行動の理由が、大人になるからといって獲得出来る訳ではないこと…

無題

今日はいつもと違う煙草を吸いたいと思い、コンビニへと買いに行く瞬間。今日はカレーを食べたいと思い、カレーを作る瞬間。そういった一時の気まぐれがなければ紛れなかった気を、ふと思い出して落ち込んでくる。気まぐれはどこから来るのだろうか。心なの…

無題

死のうとは思ってないが、死にたいと思うことは自分の中の様々な矛盾を整合性あるものへと変えてくれる魔法のような物なので、ただぼんやりと死にたいと考えている。まともになりたいくせにまともになるのが怖くて仕方ない。このままじゃダメだとわかってい…

暇なので自殺配信ばかり見ている。死を決意した人間が想定した以上に明るい口調で話すのはもう誰もその気持ちを変えられないからなのだろうか。人に影響されない心境はからっ風の吹き荒ぶ砂漠を思い起こさせる。それでも人との繋がりを求めて配信してしまう…

どうしようもない

やりたいこともなりたいものもない。ふと思い浮かぶのは髪の長かった自分だが、それが回顧なのか自己嫌悪なのかよくわからない。何にせよこれは鬱の症状だと思う。こうしている間にも自分が取り返しのつかない成長をしていることが本当に嫌だ。聴きたい音楽…

白髪が生えた

夜に思いつくものでろくなものはない。うつ病の変種であるノスタルジー。掃いて捨てるほどある思いはもう既に掃いて捨てたものが呪いの人形よろしく手元に帰ってきただけだ。外を吹き付ける風の音が白痴の弟の唸り声に聞こえる。昔の写真の背景から今はもう…

日記

喫茶店にいる。俺はだいたいはコーヒーと本、そして「ここ」ではないどこかに行きたいと思う時に「ここ」ではないと感じられる場所さえあれば幸せになれる。特別じゃない場所はどこであろうと「ここ」である。家から近い喫茶店でも、条件さえあれば「どこか…

あの物語の主人公になりたい

することがない。しなければならないことは数え切れないほどあるが、目下締切を持って対処せねば危機が迫るという形で自分の前に現れる物事はない。飯を食うのも義務感や慣性の力によるもので、美味いと思うものより食べやすいと思うものを食べる。本を読ん…

文章を踏み外さないよう

夜ごとに発見し、朝ごとに紛失する、簡単な希死念慮を発見した。自分の身を切り裂くような(これは自分自身の手首と首を切り裂いたことのある俺に言わせてもらえば、陳腐なこの表現はもう錆び付いているし、あまりに感覚と言葉の指す範囲がかけ離れすぎて、…

頭痛回想録

フリージャズの痙攣したサックスソロのような頭痛が、黒すぎる雨雲をベースラインにしてやってくる。俺の父親は酷い癇癪持ちだったが(そして俺の弟は酷すぎる癲癇持ちだ。この似ている文字列は全く韻を踏むことなく、つまり聴覚上になんの意味ももたらさず…

日記

夜中になれば死にたくなる。朝になれば甘すぎるコーヒーみたいにどろどろの頭で考えることすらおぼつかない。そういった日々の繰り返しの中(俺は何回日々の繰り返しについて書いているのだろうか)、少しはマシな言葉を並べられるのではないかと思ってブロ…

無題

死とはなにか、それをつぶさに鑑定し、言葉をあてがい、これではないあれでもないと言葉を放り投げては他の言葉を引っ掴み、ほとんど初歩の神学、もしくは阿呆の使う「哲学的」という言葉の指す範疇で大袈裟に悩んでは頭が鉛になったように感じる。死につい…

そこにあるだけの呻き

なんだか消えてしまいたい。そういった若さ故のイカロスにも似たタナトスを抱えたまま、腐っていくように日々を過ごしている。死にたくても腹が減る、そういった人間の原理の不足では人は落ち込まないようだ。腹が減った。飯を食う。 俺が一番困っているのは…

さよならではない

好きだった古書店が潰れた。ないものに現在形の「好き」は不似合いだということがなんとも言えず歯がゆい。好きだった古書店には、第一に好きな店員さんがいて、好きな店主がいて、前提として多くの古本があった。本が陽に焼けるほどの光は窓から入らない店…

特にタイトルなし

性欲がある。女性ホルモンを打つのをやめて四ヶ月経った。唾棄していた性欲を持ち直して、簡単に充足されない不足がついてまわる。もう二十五にもなるので、性欲からの潔癖症じみた逃避を続ける意志がなくなった。男性性へのイノセントな嫌悪も、なあなあに…

年齢

四捨五入したら三十歳である。二十四まではへらへらと生きてきたのだが、二十五にもなるといい加減成長することもなくなり、不承不承完成体であることを認めなくてはならなくなってきた。今では「(十の位を)四捨五入したら零歳です」と躊躇いなく言うこと…

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。特筆に値するめでたいことなんて一つもないために、ただの挨拶をする機会を恥ずかしがって逃し続けて、二十日にもなってしまった。冬場は夏場より調子が悪い。薬をたくさん飲んで、酔っ払いになってばかりいる。酔っ払いは…